1点シンニョウと2点シンニョウ
書道展に向けて小学生の生徒たちに
書きたい言葉(文字)を決めてくるように言うと
四字熟語を選ぶ子が多いのですが
今回は頭を悩ませた題材がありました。
「勇往邁進」
意味は、目的に向かってわきめもふらず勇ましく進んでいくこと (三省堂 大辞林より)
とてもいい言葉ですが文字の中に一つ問題が…。
「邁」のシンニョウをどう書くか。
五体字類を見てみると
どっちなんだ~⁈
ここで活字と手書きの文字の形が違ったり
統一されていないことが混乱を招く原因だとわかりました。
昔、手書きの文字※は1点シンニョウがほとんどで
(※ここでは楷書に限ります。篆書隷書などは形が違うので)
印刷する際の活字は2点シンニョウと統一されていた。
しかし戦後、当用漢字を選んだ際、その活字を1点シンニョウに変えて
それ以外は2点シンニョウのまま。(これが旧字体)
ここで1点シンニョウと2点シンニョウの文字が存在するようになりました。
では書道ではどう書いたらいいのか?
楷書で書くなら1点シンニョウが望ましいでしょう。
そもそも活字に振り回されていただけで
昔から手書きでは1点シンニョウだったのだから。
小学生の題材に常用漢字以外の文字を選ばない方が
無難なのでしょうが
書きたい言葉を書いた方が
制作のモチベーションは上がりますよね。
悩ましい問題です。
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